人生の教訓


結構時折随所に光るプレーを見せる頭脳派な僕も、時々たまーに偶然ちょっとだけ物忘れをする。朝同じ電車で通勤している同僚との会話を会社に着いたら忘れていたり、家のカギがわからなくなったり、はしを左手で持とうとしたりだとか、そんな事だ。まー触るものみな傷つける不良がふとした時に見せる、無邪気な表情くらい可愛いもんだ。


しかし完璧を常に追い求める私DJnosweatにとっては、”ハインリッヒの法則”とか”ヒヤリ・ハット”とかいわれているそんな些細な事も改めなければならないと思い立ち、最近ボイスレコーダーなるものを携帯している。まー実際は物忘れ防止ではなく、別の事(主に盗聴)に使おうと借りているモノなのだが、これが結構使える。アイデアを忘れないように、思いついたときすぐ録音しておくのだ。


その効果は覿面で、後日聞いたらバッチシ思い出す。その2、3秒の音声だけで、その時なんでその事を思い立ち、そんな事を考えるに至ったか、明確に思い出せる。”匂いは記憶を呼び覚ます”とはよく言ったものだが、今の僕にとってはそのボイスレコーダーの”音声”こそが、記憶を呼び起こすスイッチなのだ。


しかし先日、録音した事すら忘れていて、ただしかし録音していたからこそ思い出せた記憶を再生した(仕事中に)。


ニンテンドーDS松嶋菜々子いきます、あーおっきくなってるーあぁ〜んおっきくなってるぅ〜あぁ〜ん」


なんだコレ…?その前に録音したのを再生する(仕事中)。


わいわいがやがや「えー何?マイクここ?えーホントに?えーやだどうしよ〜何喋ろっかな〜えーどうしよう」わいわいがやがや「よーし、じゃあいきまーす、えーちょっと待ってぇ〜」


キャバだ。キャバクラだ。キャバクラで小道具として出したんだオレ。人間力だけではすでに太刀打ちできなくなった中年の切り札として、ボイスレコーダーを出してしまったんだ。記憶が蘇る(仕事中に)。


そのときの僕は、僕がそのボイスレコーダーを持って録音していたのだが、女のコが「あぁ〜ん」とか言うのを見てボイスレコーダーを持って言って欲しかったが、そんな事をいくらキャバクラにいるとて言えない、しかし言いたい自分と葛藤していた隙に録音が終わってしまい物凄く言えばよかったと後悔したのを思い出した(仕事中)。


このように人生には、やった後に後悔するか、やらずに後悔するかの選択を迫られた時に「どうせならやって後悔した方がいいじゃん」的な教訓があり、物事にもよりますが、まさにそれはそうだと、記憶が鮮明に呼び覚まされて思った(仕事中に)。