甲子園

我が愛すべき地元宮崎、その甲子園代表校が聖心ウルスラ学園。いきなり去年の優勝校の駒大苫小牧にあたってしまい5−0で敗れてしまった。しかし昔はラブホが近くにある女子高だったんだよな〜あの高校。


聖心ウルスラ学園は正確に言うと隣の市にある。僕が社会人となり世間の荒波に揉まれ始めた頃、僕の友達の彼女が聖心ウルスラ学園の近くで一人暮らしをしていた。僕の地元ではその当時みんな実家に住んでいて、一人暮らしをしていたその友達の彼女んちでよく飲み会を開いたもんだった。


土曜日も働くのが当たり前の肉体労働をしていたが、土曜日仕事が終わるとフロに入りそのまま駆け付け、日曜日朝まで飲んでそのまま雑魚寝して帰る、という生活をしていた。


そんな生活にも飽きてきた頃、平日の夜に僕のPHSが鳴った。友達の彼女の隣に住んでいた、友達の彼女の友達(女)からだった。何だろう?ひょっとしてオレに気があんのか?かなり深読みして出た電話だったが声がかなり緊迫していた。


「今何しちょっと?」「いやなんも」「今から来れん?」(マジ?この時間からやる事は一つしかねだろ!←心の声)「えっ!なんで?」「いやちょっと…」(マンセーマンセージョンイルマンセー!)「誰に電話すればいいかわからんくて…」(は?)「実は隣で喧嘩しちょっとよ」(ガックシトホホ)「喧嘩?ほっちょけほっちょけそんげなもん!」


話によると別れ話をしているらしく、僕の友達がかなり逆上して彼女の方が一度隣に避難して来たらしい。彼女は意を決して部屋に戻ったらしいが、僕の友達がコタツをぶっ壊し包丁を持ち出したとの事。シャレならん。


「だから一応来て何かあったら対処して!早くね!」プツッツーツー…。友達とは小学生からの付き合い、家も近く一時期職場も同じだった。そんな事すんのあいつ?しゃーねー明日も仕事だが非常事態、行かねばならぬ。


車で約30分、行きながら思った。暴れられたらかなわない。どーしよう?そーこー考えてるうちに着いてしまった。ピンポーン「あっ!来てくれたっちゃ!」「うん、でどーなっちょると?」「今は落ち着いちょるみたい、前ほどドタバタ聞こえんくなった」「おじゃましまーす」


初めて入る女の子の部屋、しかも一人暮らし。隣で修羅場が繰り広げられているというのに思わず勃起しそうになっていた自分を戒め、取り合えず部屋を物色。「やめてよ!なにしよっと!」素で怒ってた。「エッ?い、いや…」言い訳しながらふとあるモノに目が留まった。「ココココレを探しちょったっちゃが!」


それはパックであった。「はぁ〜?」もの凄い不信感満載の目で見ている。「ほらあいつ(彼氏)力強いかい、暴れたらかなわんわ〜じゃかい顔にパック塗ってど〜も〜とか言いながら笑わせてよね…ははは…」我ながら苦しい言い訳ではあったがそのアイデア、見事採用されてしまった。


ヌリヌリ、人生初めてのパック。眉毛に付かないよーに、生え際いっぱいまで、目じりは一番年齢が出る所だから丁寧にetc気を付けながら塗った。完成、カチューシャを付けてパックをしている自分はお母さんに似ていた…


その姿に機嫌の悪かったそのコも笑ってくれて、そのうち普通に話し始めた。彼氏がいない事、仕事の悩み、これからの事…なんか一転イイ感じじゃん!「あはは〜じゃあオレと付き合うね?」「ははは〜無理無理、それでよね〜」お母さん似では説得力がなかった。


楽しい時間も過ぎて行き、気が付けば日付が変わっていた。肉体労働に従事していた僕は眠くなり帰ろうとしたが「何かあったら困るやろ!」との事、仮眠を取る事にした。オレが明日寝不足で足場から落ちて死んだらどーすんだコノヤロウ!でもひょっとしたらこの後…男の性、かすかな希望が僕を帰らせませんでした。


チュンチュン小鳥のさえずり、朝だ!しまった熟睡してしまった!飛び起きるとスグ隣でそのコが寝ている!あで〜?おで起きてればヤレたんじゃないど〜?っつーか早く行かないと仕事に間に合わない!しかも隣は結局どーなったんだ?「おい!どーなったとあいつら!?」「知らん、今何時?まだ7時前やん!?ちっ…」コロス、でも今から家に帰って作業着に着替えて会社に行く為には一刻でも早く出発しなければ!そーだパックつけっぱなしだった!


洗面所に駆け込みパックを取る。ぎゃぁぁ〜!痛ぇ〜!!取れない!冬であった為暖房つけっぱなしで寝ていた部屋は乾燥しまくっており、パックはコンクリートの様に僕の顔面の皮膚に固まり付いていた。元々皮膚の弱い僕、取り終える頃には顔が真っ赤になっていた。


「そのパック元彼のやつやっちゃけど男モンって女モンより強力らしいね〜」笑ってた。家に火つけてやる、そう心に決めて部屋を出て車に乗り込みアクセル全開で家へ。ソッコー着替えて会社に行ったがやはり遅刻。「スンマセン、女んトコ泊まっちょってははは〜」「何かお前!ま〜しゃーねーわ、程々にしちょけよ!」涙が出た。


結局友達はその彼女とは別れてしまった。その時別れ話がまとまり、最後は大人しく帰ったらしい。その後、置いていた荷物を一緒に取りに行ったが隣のコの部屋には行かなかった。別れ話をしていた時隣にいた事も今だに言っていないし、そいつからもただ別れたっていう事だけを聞いた。


それからすぐ、別れたから別の友達が飲み会を開いてくれた。僕はその飲み会がきっかけで彼女ができ、僕の彼女の紹介でその友達はまた新しい彼女が出来た。そいつはその彼女とも別れ、何人かと付き合っては別れる事を繰り返していたが、別れたって聞くと今だに心配になる。今回の彼女とは大丈夫だろう。


かなり話がズレてしまったが、聖心ウルスラ学園は僕が地元にいた頃は女子高だった。近くにラブホがある。ヒマな時はまず行って思いにふける。そしてラブホの前に行きその光景を目に焼き付けて帰り、記憶術を利用、思い出し頭の中でREMIX、力の限りオナーニしたもんだった。そんな楽しみも少子高齢化により共学になり、無くなってしまった。後世に伝えたかったが、今では半径数十キロ以内に女子高はない。