コンタクトのふた

nosweat2005-09-02

昨日、お客さんとの打ち合わせに電車で向かっていた際、気になる会話を小耳に挟んだ。


お客さんの所の最寄の駅に降り、どっち口に出ればいいんだっけかなぁ〜ってアホ面してホームをうろついていた所、おっさんと駅員が何やら話していた。時間は18時過ぎ、ホームは帰宅時間の為かなり込み始めていたので正直、邪魔だなコイツ〜って思って、駅の出口の案内板を見ていたら背中越しに会話が聞こえてきた。どうやら何か落し物をしたらしい。


駅員「えっ?コンタクトのふた?あぁ〜コンタクトの入れ物のふたね!」
おっさん「違うよ、コンタクトのふただよ」
駅員「えっ?だからお客さん入れ物のふたでしょ?」
おっさん「だから違うって!コンタクトのふただよ、コンタクトのっ!」


コンタクトのふた…?


なんじゃそら?僕の人生でコンタクトにふたが存在するなどと聞いた事は無い。それとも必死に訴えている所を聞いていると新製品か何かでかなり高価な物やもしれぬ。忌み嫌われ、迫害、罵倒、そして流浪の歴史を歩む我が呪われたメガネ一族からすると、華々しい日のあたる表の道を歩み続けるコンタクト一族の「ふた」なる物、興味がわかない訳はなかった。


めがねくんである僕は振り返り、おっさんを見た。すぐわかった。あっつ…コノヒト目がイってる、0.5秒でそう判断し、振り返る惰性でそのまま回れ右、お客さんの所へ続く出口に向かいました。後ろで駅員さんが「知らない物は探せないよ!」って、質問の内容は合ってるが相手が間違ってました。きっと駅員さんもわかってんだろーけど相手しなきゃなんないんだろーなー。そのうち階段を昇っていると「ギャーーーーーーーーーース!」とか「ぎいやぁぁああああぁぁああ〜」とか聞こえてきました。楽な仕事は有りません。


それから駅を出るまでにもクサレチンポとクサレマンコのドグサレカップルや、生ゴミのようなちびっ子ギャング、生きる意味を無くした小市民等々、虫ケラどもが僕の行く手を阻んでおりましたが無事、改札を出てお客さんの所へたどり着く事が出来ました。しかし…


「秋っぽい原稿でお願い、忙しいから頼んだよ。出前まだ来ねぇ〜のか?」


「はい」そう答えるしかありませんでした。メシ食いながら打ち合わせ出来るじゃん、しかもまだ来てないんじゃん、新聞読んでるなら話出来るじゃん。店長を捕まえて「結局どーすればいっスか?」「ゴメン、前に作ってくれた原稿が気に入ってたから、任せたって事だと思うんだ…」ソースカ…じゃ電話で済んだね、虫には人の気持ちがわからないのかな?


滞在時間およそ1分、別の意味で疲れたが早く終わったから良しとする。駅に向かい、あのおっさんコンタクトのふた見つかったのかなって気になったがやはりもういませんでした。嗚呼、何かいい事ねかな…電車に乗り込み30分弱の電車の旅、次のお客さんの所へ向かっていたらパンツが見えた。疲れが吹き飛んだ。